恋愛期間と結婚とは無関係

私は学生時代から10年間交際していた人と結婚しました。交際期間はとても長かったですが、学生時代を除いては、お互いに仕事が忙しく週末でもなかなか逢うことが出来ない状態でした。

結婚すると決まって、結婚式の打ち合わせや新居についての相談などで彼の部屋を訪ねる機会が増えましたが、それでも2人で過ごす時間は限られていました。

お互いの趣味や食事の好みなど、ある程度知っているつもりで結婚しましたが、それは大きな誤りでした。彼がホットミルクが苦手なことも、ラムレーズンが嫌いなことも私は知りませんでした。朝がとても苦手で、起きてから出勤支度を整えて出て行くまでに一時間以上かかる人だということも知りませんでした。

付き合うことと結婚することは全く違うのだと驚くことの連続の一ヶ月でした。しかし、段々と一緒に暮らしてゆくと、彼のマイナス面はそれほど気になるマイナスでもないことが分かり、逆に彼がとても優しい人で、休日は率先して掃除を手伝ってくれたり、お風呂を洗ってくれたり、平日も帰りが遅い日には必ず連絡してくれて先に寝ていて良いよと言ってくれることを知りました。こういった彼のプラス面もまた、結婚するまで知ることはありませんでした。

私は結婚に対してこれといった理想はありませんでした。ただ、身近な夫婦として両親を見ていましたから、夫婦とはこういうもの、夫とはこういうものという漠然としてイメージがありました。しかし、彼と父は良い意味でも悪い意味でも全くタイプが違うことは直ぐに分かりました。そのため、私と彼という新しい夫婦関係を一から模索してゆきました。理想がないのでそれに近づけたいというストレスもなく、彼と私の過ごしやすい関係を探ることで幸せな夫婦生活を営むことが出来ています。

結婚前に同棲して、所謂「お試し期間」を設けることで結婚を失敗しないですむという意見もありますが、私は違うと思います。本質的に同棲生活にはお互いに義務が生まれません。独立した2人が一つの家に住むというだけのことです。しかし、結婚には互いに扶養義務などの義務が生じます。もちろん精神的に自立した2人が生活を築いてゆくことが大切ですが、義務のある関係はお互いの結びつきを強くします。

2人の収入に比例して私の方が家事分担が多くなり、私は「内助の功」で彼を支えているという思いが強いですし、その代わり彼は私を経済的に支えているという自信と自負によって働くことへの意欲が増しています。

結婚という紙切れ一枚の関係ですが、2人の関係は切っても切れない強いものになったと私は思っています。こういう感情は同棲生活では生じにくいでしょう。同棲生活は所詮、恋愛期間の一部でしかないのです。